パチーノ物語 第二章 (養分、貧乏学生生活、未公開株詐欺、消費者金融)
パチーノでございます。
私の半生を振り返るパチーノ物語の第二章だ。
第一章でも触れたが今回は上京後の極貧専門学生時代を振り返りたいと思う。
私の家は貧しかったことから奨学金により学費を支払うことになった。
アパートの家賃については親に甘えることができたが光熱費や食費、通信料、交際費などはバイト代で賄うことになったのだがこれが想像よりもはるかに大変であった。
バイト自体は同世代も多く本当に楽しかった。数百席ある大規模な居酒屋にて主にキッチンでの調理を担当する事が多かった。
炒め物などを担当するストーブと呼ばれるポジションを好んでいた。
週末のピーク時には基本的に二人で業務にあたるのだが、商品名の書かれた伝票が機械から止まる気配無く床まで注文でいっぱいになることもある。
ホールの女の子から厳しい催促を受けつつ、業務用の大型ガスコンロ3台をフル稼働させ汗だくになりながらヤバイヤバイと二人で約2時間鍋を振り続けるのだが、この追い込まれ感が楽しい。
増え続ける注文が逆に快感となりアドレナリン全開であっという間に時間が経過した。注文を捌ききった時の達成感は最高であった。
注文が落ち着いたら一人は洗い場へ移動。
すると一人で死にそうになりながら皿の山と格闘している洗い場担当がいる。
大型の洗浄器を使用しており、軽く汚れを落とした皿を正方形のケースに縦に並べ、洗浄器の前方から投入し中を通って後方から綺麗になった皿が出てくる仕組みだ。
これを一人で行うと前方での皿の投入と後方での皿の片付けのバランスが難しい。
前方の作業に集中し過ぎると後方に積み上げた皿に出てきたケースがクラッシュし皿が割れてしまう。
皿を割ると店長への報告が必要となるためこれは避けたいところであった。
皿が割れる前に一度機械を止めて後方の作業に専念すれば良いのだがこれでは効率が悪く、機械を止める行為はダサいと認識されていた。
洗い場の美学がある。
洗浄機をフル稼働させながら自分もフル稼働することだ。
つまり洗浄機内で皿が洗浄されている間しか、前方と後方の作業を行うことができないのだ。
前方に集中し過ぎると皿が割れてしまう。
後方に集中し過ぎると洗浄機への皿の投入が遅れ、機械が稼働しない時間が発生してしまう。
このバランスを保とうとするとかなりのスピードで前方と後方を行き来しながら、それぞれの作業をフルスピードで行う必要があった。
ストーブのピークが過ぎた後に洗い場のピークが訪れるため、助っ人として参戦し二人がかりでこの作業にあたる。
前方と後方でどちらの作業が早いか競争が始まるのだ。これも全力で勝負をするので楽しい。
たまに参戦する社員さんにはみんな潰されていた。
そしてバイト終了後はビールと賄いを無料で提供してもらい終電近くで帰宅。週末は麻雀に駆り出したりもしていた。この麻雀仲間とは今でも定期的に集まり麻雀大会を行なっている。
話がかなり脱線してしまったがバイトの内容は上記のとおりである。同世代も多く学校以外でのちょっとした青春を味わえた。
このバイトが時給1000円で週に5日出勤し平日は6時間、土日の場合は9時間働き、1ヶ月で大体10万円ちょっと稼いでいたと思う。
この中から食費、光熱費、携帯、バイクのローンと保険、消費者金融への返済なんかの支払いをする。
こんな状態でバイクを購入するのが間違いだった。まさに若気の至りである。
そして、中学時代の友人から勧誘を受けたとある詐欺の被害に合う。これにより消費者金融から約70万円の借金をした。
こんな状態だったため常にお金が無い状態だった。
周りの実家暮らしの友人や潤沢な仕送りをもらっている友人達が授業終了後に遊びや飲みに行っている中、自分はバイトばかり。
また給料日前だと本当にお金が無くて昼食でマクドに行った時など、みんながセットを頼む中自分はマックチキンと水を注文。
ポテト150円セールの時は心が踊ったものだ。
そのくせ給料が出ればパチスロで散財するものだから救いようが無い。
ここで負ければ今月の生活費が無くなるという極限状態でのギャンブルは自らの命を賭けているようで本当に楽しかった。
今日はここまで。
ほとんどがバイト先の仕事紹介になってしまった。
ではでは