パチーノ物語 第四章 (未公開株詐欺 貧乏学生生活 養分の日々)
パチーノでございます。
本日は私の半生を振り返るパチーノ物語の第4章だ。
生活費をアルバイトで賄う貧乏学生の身でありながらバイクを50万円フルローンで購入し、一攫千金を期待して詐欺の被害に合い70万円を消費者金融で借りた所からの続きだ。
未公開株の権利を得た私は遠くない将来に訪れるであろう数十万円〜100万円以上の利益への期待で胸を踊らせていた。
その後、清田グループの数名で行われた飲み会に参加し私の友人をグループへ引き入れようという話になった。
良い話であることと10万円の報酬が魅力であったことから友人を誘うのに躊躇はなかった。
その中でまずは地元の友人1人を合コンという名目で呼び出し加入させることに成功する。
一緒に消費者金融について行き借金をさせる事に少し気が引けた。それと同時に不安が襲ってきた。
もしも騙されていたらどうしよう。という感情が芽生えた。
自分が騙されるだけなら良いが友人を巻き込んでしまう想像をしたらゾッとした。
今更後には引けないしどうしようもないのだが。
これによって10万円の報酬を手にした。
このお金の使い道はよく覚えていないがおそらくスロットですぐ溶かしたのであろう。
もともとバイトと学校で忙しかったため、その後はしばらく清田グループと会う事はなかったと記憶しているが、バイトが休みの日に飲みの誘いがあり数週間ぶりに集まりに参加した。
ここで不安な出来事が起こる。
この集まりではグループへの勧誘なんかの作戦をたてたり誰それがたくさん売ってるだの、そんな話がメインの意識高い系の会話が多かったのだがこの日は違った。
グループのボスである清田が不在の集まりだったのだ。
普段よりフランクな話が飛び交いみんな仲が良い。聞けば長い人は2年近く前から参加しているそうだ。
ここで違和感を覚える。
初期のメンバーは3年後の上場を見据えて購入したのか?と。
席の近かった人に話を聞けた。
当初は三ヶ月〜半年後に上場の話だったが色々と調整があり時期が延びてここまで来ているそうだ。
おいおいおい。それやばいだろ。
と感じていたが、そのお陰でパチーノ君も間に合ったんだからラッキーだったねー。なんて言われる始末だ。
少し席を離れ別の人にも話を聞く。
その人は約1年前に加入したそうなのだが、同様に色々と調整があって延期されているという説明を受けていたそうだ。
そのあとに続いた言葉は、
「もう半分諦めてるけどたまに参加しとかないと本当だった時にお金もらえないかもしれないでしょ」
「増えなくても良いけどせめて払ったお金が戻ってきて欲しい。」
という言葉だった。
おそらくここにいるメンバーは学生としては大金の70万円を払ってしまったことと友達を巻き込んでしまったことから、既に半信半疑でありながらも現実を受け入れられず盲信しているようなメンバーが大半のはずだ。
今は同じ立場の仲間達とその不安を忘れ現実逃避をしているのかもしれない。
私を誘った旧友に問い詰めた。
2年前からリスケを繰り返していたことを知っていたのか、ということとこれは詐欺じゃないのかという部分を。
もちろん旧友はリスケが繰り返されていたことを知っていた。
そして、さすがに詐欺じゃないだろー。とヘラヘラしていた。
ここにいるメンバーは全員学生の身分で借金まみれなのだから10万円欲しさに半信半疑でも誘ってしまうし、誘ってしまった手前信じ続けざるを得ないという後に引けない状況なのだろう。
この時点で私は詐欺だと確信していた。
せめて払ったお金が戻ってくれば良いと願っていたが、結論としてはその願いは叶わなかった。
詐欺の加害者となってしまった私は自分が誘ってしまった友人にごめん詐欺だったかも。と電話し給料日のタイミングで5万円を支払った。
それぞれ70万円ずつ騙し取られているが、私は彼を誘ったことにより10万円の報酬を得ていたため、5万円を渡すことによって二人の被害額が同額になるように配慮した。
その後数ヶ月間退会したいから金返せと旧友や清田に連絡を取っていたが、のらりくらりと逃げられ諦めた。
それからも旧友と会う機会はあったがその話には触れていないためどういう終焉を迎えたかは分からない。
次に会う機会があれば聞いてみようと思う。
私が誘ってしまった友人にはその後更に5万円を支払った。
その事件から数年後のスロプー時代になってからだ。
誠意が伝わったのか、この友人とはたまに飲みに行く仲でいさせてもらえている。
少し話が脱線したがこの事件についてはこれで終了だ。
所謂ねずみ講なのだが売る商品自体が存在しない完全な詐欺だった。
今思えば弁護士なんかに相談して集団訴訟でも起こせば良かったのかも知れないが当時の我々にはそんな発想も元気も無かったな。
次回は消費者金融という手段を手にした私の養分日記を綴るとしよう。
ではでは